移動販売の許可と資格

菓子やパンの販売に必要な「許可と資格」を取る方法。

この記事では、お菓子やパンの販売に必要な「許可」を取りたいとお考えの方に、

①保健所で菓子製造業営業許可を取る方法
②衛生責任者証取得の方法
③自宅をカフェや菓子工房として使うときの注意点

について詳しく解説してきます。
YUKO
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菓子・パンの製造販売に必要な要件2つ

菓子・パンの製造販売には、①食品衛生責任者証と②営業許可証の二つが必要です。

まず菓子やパンの販売に必要な要件として、

  • 「人」に対する許可
  • 「建物(=調理施設)」に対する許可

の2つが必要になります。

 

このうち①の「人」に対する許可を「食品衛生責任者証」

②の「建物(=調理施設)」に対する許可を「営業許可証」といいます。

パン・菓子の販売に必要な資格:食品衛生責任者証

食品衛生責任者証は、すべての飲食店・食品製造所に必ず一人配置することが義務付けられている資格です。食品衛生協会主催の講習会に参加することで、誰でも取得できます。

先に説明した通り、食品衛生責任者証は販売する「人」に対する許可で、基本的にはあなたが取得することになる資格です。

 

ただし、あなたでなくとも例えば奥さんやご主人がこの許可証をお持ちで、その方を責任者として申請するのであればそれでもOK。

 

さらに、下記の資格を持っていらっしゃる場合この許可証は免除されます。

・栄養士
・調理師
・製菓衛生師
・と畜場法に規定する衛生管理責任者
・と畜場法に規定する作業衛生責任者
・食鳥処理衛生管理者
・船舶料理士
・食品衛生管理者、もしくは食品衛生監視員となることができる資格を有する者

出典:東京都保健福祉局

これらの免許は持っていないけど飲食業を始めたいとお考えの場合には、この食品衛生責任者証が必須となりますので必ず取得しましょう。

 

保健所に行けば取得するように指導されますし、移動販売の許可に必要な資格「食品衛生責任者証」についてでも詳しく解説しています。(パンやお菓子の販売でも、内容は全く同じです。)

 

是非ご参照ください。

パン・菓子の販売に必要な許可:営業許可証

営業許可証とは、定められた「保健所基準」を満たした調理施設に付与される許可証です。5年ごとの許可更新が必要です。

こちらも先に解説した通り、営業許可証は調理製造する「施設」に対する許可を指します。

 

さらに営業許可証は、販売するメニューによって下記の3つに分類されます。

  1. 飲食店営業許可証
  2. 菓子製造業営業許可証
  3. 喫茶店営業許可証

飲食店営業許可証

主に加熱調理するランチ系メニュー全般を販売する場合に取得する許可。

その場で抽出するコーヒーなどもこの許可証の適用となる場合もあります。

*パンの中でも、野菜の入ったパンやツナマヨネーズ、ソーセージ入りなど、惣菜パンを製造する場合は、こちらの許可が必要です。

菓子製造業営業許可証

主にスイーツ系メニュー全般を販売する場合に取得する許可。

*パンの中でも惣菜パン以外の甘いパンを製造販売するには、こちらの許可が必要です。

喫茶店営業許可証

  • コーヒーだけの販売
  • カップに注ぐだけのジュース販売

など、極々簡易な調理過程で済むものを販売する際に取得します。将来的に販売するメニューを増やすことは難しい。

このように、販売するメニューによって3つの許可証のどれに該当するのか、保健所の方に聞けば教えてくださいます。

 

パンやお菓子の販売であれば、

  1. 菓子製造業営業許可証のみ取得
  2. 菓子製造業営業許可証と飲食店営業許可証の二つを取得

のどちらかになるはずです。

どの保健所に相談すればいいの?

営業許可証の申請・取得は、「お菓子やパンの製造施設・カフェを作る予定の住所地を管轄する保健所」で行います。

 

厚生労働省HPの保健所管轄区域案内をつかって、自分が出店したい地域の保健所(=営業許可証の取得申請先)がどこなのか、調べることができます。

 

営業許可無しで販売するとどうなる??

営業許可を取得せずに販売した場合「食品衛生法違反」となり、罪に問われます。

販売する商品や、販売する機会の多い少ないに関わらず、許可は絶対に必要な物です。

 

それを取得せずに販売した場合「食品衛生法違反」となり、罪に問われます。

 

許可なしでの食品の販売が認められるのは、ジュースなどの飲料(アルコールは不可)を開封せずにそのままお客さんに販売する場合くらい。

 

ちょっとだけなら・・・と安易に無許可で販売を行うのはやめましょう。

営業許可の取得方法:保健所のチェックポイント6つ

さて、ここからは営業許可を取るために必要な施設基準についてお話しします。

 

保健所の許可は日本全国一律の基準ではないものの、どの地域でも保健所がチェックする「ポイント」はほぼ同じです。

 

これから許可施設を増改築・新築される場合は、以下のポイントを参考に保健所に直接問い合わせてみてください。

 

Point1:建物の作り・構造・面積

清潔な場所で、丈夫な建物であること。目的に応じた広さがあること。自宅の一部を改造する場合、施設と住居スペースは壁や扉などで仕切られていることが必要。

施設の大きさは決まっていません。明らかに無理のある広さ・構造でない限りクリアできると思います。

 

ただし、自宅の一部を改造して許可施設を作る場合、住居スペースから壁や扉などで仕切られていることが必要です。

自宅のキッチンと商売に使う調理設備は、各々完全に独立させる必要があります。

「自宅の中に施設を設けるのであれば、自宅のキッチンを使えばいい!」と思っちゃいますよね^^

 

ですが残念・・・自宅のキッチンと商売に使う調理設備は各々完全に独立させる必要があるのでご注意ください。

Point2:床

水を流して洗浄できる素材で作られている事が必要。

水を流して洗浄できる素材で作られている事が必要ですので、フローリングや木材の床は許可されません。

 

タイル貼り、コンクリート、CFシートなど耐水性のある素材を施しましょう。

CFシートのサンプルを貼っておきます↑。フローリングマットのようなものですが、これさえも許可されない場合もあるかもしれません。保健所に要確認です。

Point3:壁・窓

床から1mほどの高さまでは、タイル張りやコンクリートなどの素材を施す事が必要。

床と同様、壁にも耐水性が求められます。床から1mほどの高さまではタイル張りやコンクリートなどの素材を施すようにしましょう。

 

また窓には網戸を設け、虫などの害虫の侵入を防ぎます。

Point4:換気扇・明かり

適切な照明・換気設備を設けること。

換気扇を設けましょう。保健所によっては業務用を設置することが義務付けられているかもしれませんが、私の住む地域では一般的な家庭用の換気扇でも問題ないとのことでした。

 

明かりについても「何ルクス以上」等と規定されている場合があります。確認しましょう。

Point5:器具の洗浄設備・手洗い設備・給湯設備

二層式のシンクと、それとは別に手洗い専用のシンクの合計3つの洗浄設備を設けること。給湯設備を設けること。

2槽式のシンクと、それとは別に手洗い専用の設備が必要です。トイレの手洗い場は認められません。

 

また蛇口からお湯が出せる場所が1か所必要です。お湯が出ない場合は別途給湯器の取り付けが必要となります。

 

【ワンポイントアドバイス!】

自宅のキッチンを改装する場合(もちろん普段の生活に使うキッチンとは全く別のキッチンであることが前提ですが。。)、キッチンの水道からお湯が出る仕組みになっていると思います。

 

その場合は別途給湯器を取り付ける必要はないとのことでした。

 

もしかすると、洗面所(トイレではない場所)の手洗い場が「独立した手洗い場」として許可される可能性もあるかもです。

 

住居とは別の洗面所として利用できるのであれば、わざわざ手洗い場を作らなくても済むかもしれませんのでご確認ください。

 

Point6:冷蔵・冷凍設備、ゴミ箱、保管庫

使う食材ごとに適温で保存できるよう、冷蔵・冷凍設備を用意しましょう。ごみ箱・保管庫などの設置も常識の範囲で行いましょう。

家庭用の物でもOKなので必ず冷蔵庫を設置しましょう。

あとは調理器具や食材を保管できる棚(扉がついているもの)、ゴミ箱など常識的なものが揃っていれば許可がとれるはずです。

 

自宅でお菓子を製造・販売することは可能か?

開業を予定している住所地が「市街化調整区域」に指定されている場合、商売用の設備の増改築が禁止される可能性があります。

 

自宅を調理設備にすることは物理的には可能です。

 

営業許可も必要な設備さえ整っていて、保健所が認めてくれれば問題なく開業できます。

 

但し住所地が「市街化調整区域」に指定されている場合は、商売用の設備の増改築が禁止される可能性があります。

 

自宅や住宅地、空き家を利用した飲食業開業を検討されている方はもう少し読み進めてみてください。

市街化調整区域での開業の注意点

「市街化調整区域」とは農林水産業等に必要な田んぼ・畑・山などを守るため、意図的に市街化することを制限された地域のことを言います。

市街化調整区域では住宅や特定の公共施設を除く商売用の建物の建築が制限されるため、用途を「住宅」から「飲食店やその他の商売目的の施設」に変更できない決まりになっています。

 

これは法律で決められているので、例えば「住宅」として届け出されている建物でこっそりカフェを開業するなどしてしまうと、バレた時に営業停止命令や撤去命令が下されてしまうのです。

 

市街化調整区域に建ててもいいのはその地域住民のための「住宅」。店舗は基本的に建てられません。

 

パン屋さんが「販売停止」の指導を受けた事例

「市街化調整区域」という調整区域があることなんて、普通に暮らしていれば知る機会がありません。

 

私の知り合いのパン屋さんも、そんな決まりがあるなんて全く知らずに自宅で週に1度のパンを販売されていましたが、ある日突然自宅での販売中止を指導されました。

 

その方の事例をご紹介しておきます。

 

【販売までの経緯】

自宅(家の中の一部を改築)にパン工房を作り、その工房で作ったパンをイベントや手作り市で販売。

 

次に、週一回程度の自宅販売を始めるために、ご主人のDIYでちっちゃな2~3畳ほどの小屋風のお店を製作。

 

それを家の庭に、既存の製造施設とは別に新設

 

パンの製造→既存の製造設備
販売→小屋風の小さなお店(家の庭)

 

というスタイルで、自宅で製造販売する方法に変更されて2年ほど経過。

↓↓↓

【販売停止の指導】

2年ほど経過したある日、市の担当者さんがぞろぞろと自宅にやってきて、販売を止めるようにと説明を受ける。

 

その後の担当者の説明により、

・自宅の一部に設けたパン工房でのパンの製造は全く問題がない

・「自宅の中」での商品販売なら問題がない

の2点を確認されたため、今は庭での販売を止めて自宅の玄関で販売されるようになりました。

 

ご本人は市街化調整区域だということも、その場所に商売用の建物を建ててはいけないということもご存じなかったため、担当者からの指導で初めて「市街化調整区域」に指定されていることを知ったそうです。

 

YUKO
YUKO
ちなみに私も、彼女のこの話を伺って初めて「市街化調整区域」のことを知りました。

 

せっかく作った思い入れのあるお店での販売ができなくなるということですごくショックを受けておられましたね。。。

 

このケースは「小屋風」という小さな建物だったので、かかった金額という意味では少額のロスで済んだかもしれません。

 

もしこれがきちんとした飲食スペースを設けたカフェとかだったら・・・。

 

建ててしまった後からでは、取り返しがつかない大損になってしまいまうということです。

まずは最寄りの土木事務所に相談!

自宅の敷地内で食べ物の製造・販売を検討中の方は、まずは最寄りの土木事務所で「市街化調整区域」の指定を受けていないか確認しましょう。

市街化調整区域内にも、何らかのお店が建っている場合があると思います。

 

ただしそれらは必ず、土木事務所を通じて都道府県知事の許可を得て建てられているはずです。

 

自宅や自宅の敷地内で食べ物の製造・販売を検討中の方は、まずは最寄りの土木事務所で

  • 「市街化調整区域」の指定を受けていないか
  • お菓子の製造・販売など、飲食業を営んでもOKかどうか

について問い合わせをしてみましょう。

保健所はあなたの土地の事情は把握していない!

保健所では、あなたが開業を希望する土地が市街化調整区域に指定されているかどうか、わかりません。必ず自分で土木事務所に確認しましょう。

保健所では、あなたが開業を希望する土地が市街化調整区域に指定されているかどうか、わかりません。

 

保健所はあくまで「営業を許可するに値する設備が整っているかどうかを確認する」のが仕事。その土地の事情を考慮することまではできないのです。

 

施設を製作する前に、必ず自分で土木事務所に確認するようにしましょう。

 

土木事務所に聞いてみた!

市街化調整区域で、必ずしもすべての飲食業が禁止されるというわけではないようですが、開業の許可を得るのが結構大変そう。。

実際に土木事務所に問い合わせてみると、

 

例えば自宅を改装した施設を作るのであれば、

・自宅のどの場所に

・どれくらいのスペースで

・どんなものをどんな方法で製造するのか

・自宅で製造だけして、販売は別の場所(例えば移動販売とか)で行うのか

等の要望を細かくチェックしたうえで、総合的に、且つ個別的に判断するものなので、一般的な話として「これだったら許可できる」という風にはお話しできません。

 

との回答でした。

 

あくまで個別で対応する案件であり、お店の構造以外にもその人の人柄なんかも総合的に検討したうえで最終的な判断をするとのことです。

 

その人に開業を許可しても本当に大丈夫かどうかについては重要なポイントになるようですので、こちらで考えてどうこうなるような話ではなさそう。

 

あれこれ考えるよりも、まずは土木事務所や保健所で相談する方が早いです^^

 

食べ物を売るなら、PL保険も忘れずに!

販売初日にはPL保険(生産物賠償責任保険)が適応されるように、余裕をもって加入しておきましょう

以上がパンやお菓子を製造販売するのに必要な許可となりますが、営業許可証の取得と販売に向けた準備でバタバタしていると、どうしても忘れがちになるのがPL保険

 

あなたはPL保険(賠償保険)の加入について、きちんと検討できているでしょうか?

 

あなたの販売する食品で万が一お客様の健康を害するようなトラブルが発生した場合に備えて、できれば営業開始初日から保険が適応されるように加入されることをお勧めします。

 

その中でも、私が加入している「安心フード君」は加入者も多く、個人事業主でも加入できる安くて安心な保険です。

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是非お目通しください♪