移動販売の始め方|絶対に失敗しないための12の工程とは?

・移動販売を始めたいけど、何から手を付けたらいいのか分からない

・途中まで進めてみたけど、次はどの準備に取り掛かればいいの?

移動販売の場合、多くの方が脱サラして開業されます。

 

空いた時間で効率よく開業準備を進めていきたいけど、実際にどんな手順で進めていけばいいのかわからず困っている・・・そんな方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今日は、できるだけ無駄なく開業準備を進めるためにどんな順番で進めていけばいいのかについて12のステップで詳しく解説してみようと思います。

 

Step1:商品(メニュー)を決める

「車も決まっていないのに、最初に商材を決めちゃうの???」と疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、最初に決めるべきは車でもなく、出店先でもなく、「商品(メニュー)」なんです。

 

目的1:販売できる商品かどうか確認するため

最初に商品を決める目的は二つあります。

 

その一つ目としては、移動販売で販売可能な商品かどうかを確認するためという点が挙げられます。

 

移動販売をこれから始められる方の中には、許可を取得したら日本全国どこでも販売ができるようになると勘違いされている方がいらっしゃいますが、それは間違いです。

 

販売する地域ごとに保健所の管轄が分かれているので、出店先に応じて保健所の許可を取得し直す必要があるんですね。

 

参照:移動販売の許可を取るには、都道府県ごとの申請が必要です!

 

しかも、保健所の許可基準は日本全国同じではなく、地域によってかなり差があります。その中には、

・軽自動車の場合は、1種類のメニューしか販売できない。

・普通車の場合でも販売できるのは2種類まで。

・米飯を使った食べ物は販売が禁止されている。

等の規定を設けている保健所もあるため、ご自身の売りたいと思っていた商品が確実に販売できるとは限りません。

 

あなたの販売しようとしている商品が、出店予定地域でどのように規定されているかなんて、保健所に聞いてみないと分かりませんよね?

 

だからこそ、ある程度何を売るお店にするのかについて絞りこんでおき、保健所の許可が取れる商品なのかどうなのか確認してから試作に取り掛かった方が効率がいいのです。

 

目的2:予算の「見積り」を出すため

開業資金がどれくらい必要になるかは最も気になるところだと思います。その開業資金を見積もるためにも、「何を売るか」を最初に決定することが重要になるんです。

 

商品が決まれば

・大まかな初期費用を算出できる

・ざっくりとした単価を決めて、売上げを試算できる

・ターゲットにしたい年齢層の割り出しや、お店のコンセプト(方向性)を決められる

など先を見越したイメージがしやすくなるのですが、これが決まらない人はいつまでたっても開業準備を具体的に進めていけません。

 

このように商品の決定というのは、移動販売を考えていくうえでの一番最初の土台になるわけです。

 

その商品があなたの出店希望地域で販売可能かどうかは、保健所に確認してみないと分かりませんので、候補としていくつか選定しておくということでもOKです。

 

因みに実際の試作はまだまだ後で大丈夫♪

 

この段階では、自分の希望する商材で営業できるかどうかの確認の目的が大きいですので、お金を掛けて実際に作ってみるという作業はしないでおいてくださいね。

 

Step2:車両を仮決定する

商品がおおよそ決まったら、希望する車種も具体的に選んでおいてください。

 

これも商品の数や内容に対して車両の広さが広すぎたり狭すぎたり、営業許可証の基準によって、適切でない場合は変更を余儀なくされる場合もありますのであくまで仮決定で構いません。

参照:4つのポイントで徹底解説!移動販売車の製作に「軽トラ」をおススメする理由

参照:【Q&A】移動販売は立って販売or座って販売、どちらがいいと思いますか?

 

Step3:保健所に確認する

売りたい商品と乗りたい車が決まったら、自分の希望する出店地域で販売できる商材かどうか保健所に確認します。

 

普通車なのか軽自動車なのかによっても販売できる商品が限定される場合がありますので、この段階で必ず確認するようにしてください。

 

実際にこの段階で許可を取得するわけではなくあくまでも「確認」なので、出店を希望する地域の保健所には一通り確認しておくことをオススメします。

 

一般的には片道2時間で通えるところがおおよその出店地域になると思いますが、それ以外の地域で出店するチャレンジャーなオーナーさんも実際にいらっしゃいますので、そのあたりはどうぞご自由に^^

 

参照:営業許可証を取得する際に保健所に確認すべき項目16個。

参照:移動販売に必要な「食品衛生責任者」証とは?

参照:移動販売を始める前に絶対に確認!「仕込み場所」編

Step4:初期費用を試算する

自分の出店希望地域での営業許可証の取得ができることが確認できれば、ようやく具体的な開業準備にとりかかります。

 

まずはどのくらいの費用が必要になるのか、その初期費用を算出してみましょう。

 

具体的な方法としては実際の営業に必要になる物を全て書き出し、その横に金額を記入していく方法をお勧めします。(商品に使用する食材の費用の算出は必要ありません。機材・設備・備品のみでOK)

 

たとえば軽自動車を改造してクレープを販売したい場合、

調理物品合計 25,000円
調理物品値段(サンプルなので金額はテキトーです)
クレープの生地を入れる容器3,000円
クレープを焼く鉄板5,000円
ガスコンロ5,000円
トンボ(生地を広げる時の道具)1,000円
ステンレスボール1,000円
泡だて器1,000円
電動ホイッパー9,000円

 

↑クレープの調理に必要な調理器具購入に必要な費用2,5000円。

車両設備合計195万円
車両・設備値段(サンプルなので金額はテキトーです)
スズキキャリー(新車)100万円
キッチン部分造作費用50万円
全塗装1色30万円
電気配線5万円
調理台本体+取り付け費用10万円

↑車両・設備費用195万円。

 

*車両製作費用に関しては、依頼する車屋さんに電話して、希望する車種のおおよその見積もりを聞いてみましょう。HPなどでも掲示されていますし、必要であれば詳細な見積書も提示してくださいます。その費用を参考にとりあえず具体的な金額を出してみましょう。

 

その他の備品合計 141,000円
その他の備品値段(サンプルなので金額はテキトーです)
冷蔵庫5万円
音響用スピーカー3万円
ipod1万円
5Kgガスボンベ3,000円
看板2万円
のぼり1万円
メニュー表9,000円

↑その他の備品費用141,000円。

 

開業初期費用合計211万6千円
調理物品合計25,000円
車両設備合計195万円
その他の備品合計141,000円

 

仮にこれだけの物品が必要だったとすると、合計211万6千円が開業初期費用として必要になります。

これ以外に

・商品試作費用として10万円くらい。

・運転資金(移動販売が軌道に乗るまでの間の生活費)として100万円くらい

も必要になると、合計321万6千円が必要になるということが分かりますね。

 

これが予算内であればそのまま開業に進んでもいいでしょうし、足りないようであれば

・購入予定の物を中古に変える

・車種をもっと安いもの変更する

・車両の制作会社を変える

・開業資金が溜まるまで、開業を先送りする

 

など、いろんな方法を検討できるようになります。

 

自己資金でまかなえない場合は、足りない分を借り入れするという方法もあります↓。

参照:移動販売の開業資金の調達・融資を受けるならここがオススメ!融資に関する情報をまとめてみました

 

それらを考えて、実際の開業に必要な費用を本当に用意できるのかどうかを確認しておきましょう。費用が捻出できると確信が持てれば、次のステップに移ります。

 

Step5:販売場所を確保する

販売場所の確保については、5番目と言わず、一番最初から確保に向けて動き始めてもらってもいいくらいの重要な準備です。

 

売る場所がないことには車両を作ったところで販売することができません。

 

車両が完成したらすぐにでも販売を始められる場所を確実に見つけておく必要があります。

 

候補は多ければ多いほどいいと思いますので、これについては継続的に探し続けるようにしてください。

参照:【2018年最新版】移動販売の出店場所を探す方法6つを徹底解説!

 

Step6:商品を試作する

この段階でもまだまだ車両は作りませんよ^^次は実際に販売予定の商品を試作し、レシピを決定していきます。

 

・その商材の販売にどの程度の時間と労力がかかるのか

・一人で販売できる作業工程なのか

・自信を持って美味しいと言えるものになっているのか

・お金をいただけるだけの価値のあるものになっているのか

 

など検討し、納得のいくものができるまでとことん試作を繰り返しましょう。

 

また出来上がったメニューは「試食会」などを開いて必ず第三者の意見を取り入れるようにしてください。

 

そこで率直な意見を言ってもらうようにすると、自分とお客様との感覚が一致しているのかズレているのか、なども見えてきます。誰かに食べてもらうということはすごく勉強になります。

 

参照:カフェの新メニューを作る!オリジナルレシピの作り方をこっそり教えます

 

Step7:価格を設定する

販売予定の商品をいくらで販売するのか、その価格を具体的に設定します。

飲食(ドリンクを除く)の場合だと大体原価率26%くらいに設定したいところですが、最初は自信が持てないかもしれませんので、30%くらいの設定でもOKです。

 

ですが、個人的には安売りはオススメしませんので、最終的には26%程度の原価率を目指しましょう☆

 

原価率等についてはここではとても説明しきれませんので、また改めてアップしたいと思います。

 

Step8:消耗品(使い捨て容器・包材)の選定とその費用の確認

*ここで言う消耗品とは文具等のことではなく、商品の販売に直接必要になる使い捨て容器や包材のことです。

移動販売ではほぼ全ての商材を使い捨ての容器で提供します。

使いまわせる食器での提供は、移動販売車内に洗い場を追加で設置しなくてはいけない場合もあり、衛生面での心配もありますのでやはり使い捨ての食器がベストです。

 

販売しようとしている商材を、どんな容器に入れて販売するのか、スプーンやストロー、持ち帰り用の手提げ袋なども全て含めて仮決定します。

 

そしてそれらの消耗品の単価を算出しておきましょう。例えばたこ焼きの販売であれば、

たこ焼きの容器・消耗品合計31円
消耗品値段(サンプルなので金額はテキトーです)
たこ焼き6個入り用容器20円
つまようじ2本5円
輪ゴム1本1円
手提げ袋1枚5円

 

のように、31円の経費がたこ焼きを販売するたびに絶対に発生することになります。

 

原価100円のたこ焼きを350円で販売すると、その利益は250円・・・のように考えがちですが、実はその販売には上記の31円の経費が絶対に必要になります。

 

ですので、実際の利益は250円から31円を差し引いた219円

 

消耗品という経費を常に頭に置いて販売価格を考えないと、実際の利益の額が大幅に狂ってきます。

 

更にここから出店料・ガス代・ガソリン代が差し引かれていくので、経費をきちんと算出したうえでの価格設定が大切なのだということは必ず頭に入れておいてください☆

 

 

Step9:売上げ予測を立てる

平日何食販売するのか、休日何食販売するのか、イベント出店で何食販売するのか。

また、ひと月の中で何日出店するのかなど、具体的に設定して算出してみてください。

この予測というのは本当に難しいと思いますし、何より数字を扱うのが苦手という方も多いと思います。

 

そんな時はこちらの本を参考にしてみてください。

 

 

移動販売って開業の敷居が低い分、なんだか遊びの延長のようになりがちです。

 

ですが現実には経理はもちろんのこと、ブランディングからメニュー開発、販売促進にWEB媒体での情報発信・・・と、何から何まで全てを自分で行っていかなければいけません。

 

移動販売という業態に特化した「お金」の考え方が詳しく解説されていますのでオススメです。

Step10:車両を製作し、自社サイトを開設する

さて、売りたい商品が決まり・車両も決まった。

保健所でも営業許可を取るための指導は受けた。

商品のレシピも値段も決まり、売上げの予測も立って開業資金も何とかなりそうだ!

販売場所も確保できそう><♪

 

ここまでの過程をクリアできれば、ようやく車の製作に着手してください☆

 

車両って一度作り始めたら引き返せませんし、一番費用が掛かるところなのでこれくらい慎重に検討してから製作に入るくらいでちょうどじゃないかと思います。

 

また実際に車両を作っている最中もいろんな作業を進めることになると思いますが、この頃にはできれば自社サイトを立ち上げておきたいところです。

 

販売が始まると、ネットを通じて販売場所・時間のお知らせをすることになります。最近はSNSを使った投稿した内容がどんどん埋もれていく仕組みになっています。

 

投稿すれば投稿するほど、過去の投稿が読まれにくくなります。

 

ですので個人的にはホームページかブログで、メインになる自社サイトを作っておくことをオススメしています。

 

また、それらのツールは簡単に使えるようにはなりません。まず文章を書くことが苦手な人もたくさんいるでしょうし、投稿する方法一つとっても慣れないうちは難しいかもしれません。

 

販売が始まれば、サイトの運営は後回しになってしまうことは確実ですので、時間の空いているこの段階で取り掛かっておきましょう。

参照:今すぐ開設!自店のブログ~お店の情報発信はブログが効果的~

参照:ホームページを1年運用してみて分かった。移動販売にホームページが不要な理由。

Step11:調理台など・調理機器を搭載する

車両が完成したら、最後に移動販売の調理台や冷蔵庫などの設備を搭載します。

 

移動販売車内は整ったかたちをした店舗ではありません。カーブの多い作りになっていたり・凸凹があったりと既製品の調理台では設置できない場合があります。

 

またその限られたスペースを最大限に活用するための配置の工夫も必要になります。

 

車両完成前から調理台を決定することが難しい場合もあると思いますので、その場合はやはり車両納品後に実寸を計りながら、ベストサイズに造作していくしかありません。

 

私も搭載している什器は、車両納品後にすべての実寸を計測しながらデザインを起こして発注しました。

その方が使い勝手の良い物・デザイン性の優れたものになるので、個人的にはその方法がおススメです^^

 

Step12:メニュー表・ショップカード・その他販促物を作成する

 

実際の販売に向けて、これらを制作していきます。車両との兼ね合いや、雨の日・風の強い日でも使えるものに仕上げなくてはいけないので、そのあたりは十分に検討してくださいね^^

 

最後に:めでたくオープン!!

 

ふ~。。。長かったですけど、ここまで来てようやくオープンとなります。

 

勿論、こんなにすんなりとはいきませんよ。

絶対にどこかの項目でつまづくので、各項目を行ったり来たりしながらちょっとづつ進めていくしかありませんね。

 

最初にも書いたように、移動販売を始められるほとんどの方は脱サラからの新規開業です。平日の仕事をつづけながら開業準備を進めるのは本当に大変な作業になると思います。

 

ですのでやはり開業には余裕を持って計画的に進めていくようにしましょう。

 

参照:移動販売開業予定者の9割が知らない、「開業届」「確定申告」の話|個人事業主としての責務を怠らないこと!!

 

あと、こちらも忘れずに↑^^移動販売も立派な個人事業ですよ。